猫暮らし

猫暮らし

【アレルギー対策】おすすめキャットフードと選び方

猫の食物アレルギー対策に効果的なフードの選び方とおすすめのキャットフードの選び方を以下の観点から解説します。

  1. タンパク質が1つのシンプルなレシピのフード
  2. 新奇タンパク質フード
  3. 加水分解タンパク質フード

アレルギーの原因になりやすい原材料とは?

猫の食物アレルギーの原因になるのはほとんどがタンパク質に関連しています。
そして、なりやすい原材料の代表は、牛肉・乳製品・鶏肉・魚です。

実は穀物アレルギーは上記4種類の原材料と比べて圧倒的に少ないこともわかっています。
そのため、お腹が弱い猫でなければグレインフリーのものより、アレルゲンフリーであるかを第一に考えることをおすすめします。

食物アレルギーをもつ猫に求められるキャットフード

アレルギー検査の重要性

まず、食物アレルギーを持つ猫のフードを選ぶ上で推奨されるのが、動物病院でのアレルギー検査です。人間のアレルギー検査と同様に、この検査の結果自分の猫が何に対してアレルギーがあるのか、その強さもわかります。検査の結果アレルギー性が強いと診断された食材(以下、アレルゲン食材とします)は、避けなければいけません。そのためまず、「原材料にアレルゲン食材が含まれていない事が確認されたフード」がお勧めされます。
また、以下は食物アレルギーを持つ猫にオススメできるキャットフードのポイントです。

ポイント1:タンパク質が1つのシンプルなレシピのフード

販売されているフードに含まれるタンパク質は1つではないですし、ほとんどの食物アレルギーに悩む猫は複数(3〜5種類)の食材に反応します。
このことから次にお勧めするのは、「アレルゲン食材を一切使用していない、できれば原材料のタンパク質が1〜2つのみに限定されているシンプルなレシピのフード」です。
例えばラム肉だけがタンパク質源で、他の栄養素は植物性のものなので補っている商品です。これなら、万一アレルギー検査の結果、牛・鶏・サーモン全てがアレルゲン食材であっても、安心して与える事ができます。

ポイント2:新奇タンパク質フード

ただ、アレルギー反応は突然起こる事があり、今まで問題なかった食材のアレルギーが発症する可能性もあります。これは、体内に取り込み続ける事が一つの要因になっているからです。
人の花粉症で考えるとわかりやすいでしょう。多くの花粉に曝された結果、去年まで発症しなかった花粉症に今年から突然悩まされる、というのはよく聞く話かと思います。
そして、花粉症にとっての花粉が、食物アレルギーにとってのタンパク質です。
そのため、今まで大丈夫だったタンパク質も摂取し続ける事により、発症してしまうという事がありえます。
その際に、改めてアレルゲン食材以外の食材を使ったフードを選び直すのも、猫にとってフードを飽きず食べ続けられる1つの方法ともいえます。
特に今まで販売されてきたフードにほとんど入っていなかった、アレルゲン食材に含まれないタンパク質を、“新奇タンパク質“といいます。新奇タンパク質にはカンガルー、ナマズ、アヒルなどが挙げられます。この、「新奇タンパク質フード」もおすすめできるフードです。

ポイント3:加水分解タンパク質フード

しかし、いつかまたアレルギーが出てしまうならアレルギーが出ないものを食べさせてあげたい、と思う方も多いと思います。
そのような方におすすめなのが、「加水分解タンパク質フード」です。
加水分解タンパク質は、アレルギーが発症する要因の一つであるタンパク質の“大きさ”を加水分解で小さくすることでアレルギー反応を起こさないようにした、小さいタンパク質
を指します。これなら摂取しても、アレルギー反応が起こる可能性がほとんどないので安心して与える事ができます。

低アレルギーのキャットフード

低アレルギーのおすすめキャットフードを上記で述べた・・・

  • タンパク質が1つのシンプルなレシピのフード
  • 新奇タンパク質フード
  • 加水分解タンパク質フード

の条件から紹介します。

タンパク質が1つのシンプルなレシピのフード

ナチュラルバランス (グリーンピース&ダック)
ナチュラルバランス グリーンピース&ダック2,310(2023.10.29/Amazon)

ナチュラルバランスは、科学的・栄養学的・獣医学的・力学的に研究開発された製品を作成しているペットフード会社です。商品には高品質な五大栄養素である、タンパク・炭水化物。脂質・ビタミン・ミネラルが含まれています。
しかし、これらのフードは療法食などではなく、フードと水のみで十分な栄養を摂取する事ができる総合栄養食とされており、かつ、すべての種類・年齢の猫に与える事ができる“オールブリード”の製品となっています。
ナチュラルバランス社では、アレルギー対応食も種類豊富に作製しており、このアレルギー対応フードはそれぞれ1種類のタンパク質と炭水化物といった、シンプルなレシピによって作られています。
その中からグリーンピース&ダックについて簡単に説明します。
上記で述べたように、アレルギー対応フードはタンパク質と炭水化物がそれぞれ1つずつで、本商品ではタンパク質源がダック、炭水化物源がグリーンピースのみとなっています。
ダックは良質な亜鉛が含まれていることから、皮膚の状態を良好に保つ働きがあり、グリーンピースは消化性に優れており、良質なエネルギー源として機能しています。
ダックの他に皮膚を良好に保つ役割のある代表的な原材料の1つにキャノーラオイルがあります。キャノーラオイルはオメガ3とオメガ6脂肪酸を豊富に含んでいることから、水溶性ビタミンと摂取することで皮膚の健康に効果的です。
口コミを見ると多くのアレルギー持ちの子も食べており、食いつきもいいようです。
まれに本商品に毛が混入していたり、色むらが見られるようですが、化学薬品・着色料・保存料を一切使用せず、素材活かした製品のため起こるようで、品質には何も問題ありませんのでご安心ください。

ジョセラ マリネッセ(低アレルギー・グレインフリー)
ジョセラ(Josera)マリネッセ4,437(2023.10.29/Amazon)

ジョセラは80年以上続くドイツのペットフード会社であり、ペットフードに注ぐ情熱は他の追随を許しません。
はじめは飼料メーカーだったジョセラは約80年の歴史の半分である約40年を動物の栄養を考えることに費やしたことから、最高のレシピを高品質に提供することができています。
“ジョセラの約束”として、不使用な食材を公表しており、それらは人工着色料などの人工添加物、遺伝子組み換え食品、砂糖・乳製品・大豆製品、です。原材料のレベルも、ドイツ農業組合の厳しい基準をクリアした最高品質のもののみを扱っています。
また、開発において動物実験は一切行っていません。
この商品の中から低アレルギー商品の1つである、マリネッセについて簡単に解説します。
マリネッセのレシピはいたってシンプルです。
原材料のほとんどがサーモンとジャガイモで成り立っているからです。タンパク質源にフィッシュプロテインが含まれていますが、加水分解されているため、アレルゲンにはならないことが分かります。
脂肪源には鶏肉や七面鳥を使用していますが、アレルゲンであるタンパク質とは関係ないので問題ありません。
原材料を見るとアレルギーを起こしやすい食材を一切使用せず、グレインフリーでもあるため、消化にも優しい事がわかります。
ミネラルのバランスを整えることで、尿結石のリスクも軽減されています。
口コミを見ると、アレルギー持ちの猫ちゃんも多く食べているようで、便の調子が良くなったり、過剰グルーミングをやめたり、といったコメントが多く見られました。

新奇タンパク質フード

アディクション ワイルドアイラインズ フォレストミートレシピ(グレインフリー)
アディクション アディクション ワイルドアイランズ フォレストミートレシピ1,995(2023.10.29/Amazon)

アディクションは獣医師と臨床栄養士によって創設された、ニュージーランドに自社工場を持つペットフード会社です。創業者達は、合成の保存料などが原因の食物アレルギーが犬や猫に与える皮膚や胃腸の症状を知り、アレルギーに配慮したフードを提供するレシピを考え出しました。アレルギーの原因となった低品質で粗悪な肉や合成添加物を排除するために、厳しい基準を設け、高品質な食材だけを使用しています。
今回は“新奇タンパク質”である鹿肉を使用したフォレストミートレシピを選びました。
本商品はニュージーランドで自然放牧されていたベニソン(鹿)とその心臓や胃をメインに使用した高タンパク質フードです。
全ての商品がグレインフリーであり、本商品では穀物、じゃがいも、とうもろこし、大豆、小麦は一切使用していません。
また、関節に効果のあると言われる緑イ貝や抗酸化作用・抗炎症作用のあるマヌカハニーやキウイフルーツを使用することで、猫の皮膚の健康を良くする栄養価の高いフードになっています。
また、ベニソンは嗜好性が高いため、口コミでは食いつきがいいといったポジティブな意見が見られました。
脂質を補うために牛脂肪が使用されているようですが、脂肪の主成分は脂肪酸ですから、アレルゲンになりうるタンパク質は含まれていませんので安心してください。
最後に、本商品は代謝エネルギーが100gで414kcalと高カロリーな商品です。肥満気味な子はもちろんですが、太らないように意識して与えてください。

キアオラ (カンガルー)
キアオラ KiaOra キャットフード カンガルー3,752(2023.10.29/Amazon)

キアオラは、ニュージーランドの犬猫の健康を真剣に考えているペットフード会社の一つです。そのため、原材料にこだわり、世界トップクラスの品質の原材料を使用しています。
また、①にも適応される、シンプルなレシピでフードを作製しています。動物性タンパク質は1種類の肉、もしくは1種類の肉とサーモン、またはレバーのみです。
今回はその中から、“新奇タンパク質”と言われるカンガルーを使用したフードを選びました。以下、詳しく説明します。
キアオラは基本的にニュージーランド産の原材料を使いますが、今回はオーストラリア産のカンガルー肉を使用しています。オーストラリアの肉は非常に厳しい防疫管理と法規制で守られています。そのため、BSE(牛海綿状脳症)、口蹄疫のような疫病がない事はもちろん、放牧されて育ったカンガルー肉は高品質のため、安心して与えることができます。
また、カンガルー肉は高タンパク・低脂肪・低コレステロールであるので、多く使用してもカロリーを抑える事ができ、猫の健康にもつながっています。
原材料は、タンパク質源がカンガルー生肉・ドライフィッシュとえんどう豆で、添加物などは一切含まれていません。油分を補うために鶏脂が使われておりますが、抽出過程でタンパク質は除去されているため、鶏アレルギーがあってもアレルギーの心配はありません。
穀物も使われていないため、穀物の消化が苦手な猫の消化にも優しい商品です。口コミでは、毛艶が良くなった、や食いつきがいいなどのポジティブな意見が多く見られました。

加水分解タンパク質フード

  • ロイヤルカナン 低分子プロテイン
  • ヒルズ z/d プリスクリプション・ダイエット
ロイヤルカナン 低分子プロテイン5,027(2023.10.29/Amazon)
ヒルズ プリスクリプションダイエット キャットフード z/d5,502(2023.10.29/Amazon)

これら2つの商品は、食物アレルギーの療法食のなかで代表的なフードです。
どちらも加水分解タンパク質を使用しており、食物アレルギーのある子は勿論、疑いのある子にも推奨されています。
動物病院でもアレルギー所見(対称性の脱毛や舐め壊し)がある子などにも、検査結果が出るまでサンプルをお出ししたり、明確に判断ができる場合にはすぐにおすすめしています。
どちらも食物アレルギーに対して効果のあるフードですが、猫によって食いつきが違います。人と同じで、好きな食べ物の匂い・味がありますから、もしどちらか食べなくても心配しなくて問題ないです。
また、もし加水分解フードを食べてくれなかった場合(一定数の猫で見受けられます)は、まず獣医師に相談し、他のアレルギー療法のフードを与えるか、アレルギー検査を行った上でアレルゲン食材を除いた①や②の商品を与えてあげてください。
以下はロイヤルカナンとヒルズの違いや基本的な情報を記載しました。

ロイヤルカナン

ロイヤルカナンはフランスの獣医師によって設立されたフード会社であり、犬と猫がずっと健康でいることを信念にしています。ロイヤルカナンは一流の科学・獣医学・行動学の専門家と、世界中の犬や猫のオーナー間での対話を続けることで、犬や猫が健康でいられる最適なレシピを探求しています。
原材料には安全で質の良いものを厳選しており、原材料のサンプルをこまめに分析しています。
今回の商品の多くは米と加水分解大豆タンパクを使用し、アレルギーの原因であるタンパク質は使用されていません。また、皮膚のバリア機能を整えるための原材料はもちろん、免疫に重要な消化器の健康を維持する原材料も含まれています。
匂いはチキンスナックのようで、比較的食いつきはいいです。形は三角形で、歯応えもしっかりとしています。

ヒルズ

ヒルズは、小動物の栄養学の父として知られる、マーク・モーリス・ジュニア博士の父親が創設した会社であり、ジュニア博士が父親の意思を受け継いでいます。ヒルズは獣医療で求められるフードの研究・開発に取り組み、1匹でも多くの動物を救う手伝いをしており、フードの開発には、獣医師はもちろん、栄養学博士・食品科学の専門家たちが携わっています。
原材料には、厳しい品質基準を満たしたものしか使用しません。
今回の商品の原材料の多くは米と加水分解チキンを使用し、アレルギーの“もと”となるタンパク質を除去しています。
また、皮膚の健康に重要なビタミンEやオメガ3および6脂肪酸、抗酸化成分を含有させることで、皮膚の状態を整える事ができます。形は丸い薄型で、口コミから判断すると食いつきはいいようです。また、この商品は尿結石のリスクを低減すると科学的に証明されているので、尿結石が心配な子も安心して与えられます。

ヒルズもロイヤルカナンも米が原材料ですから、アレルゲン食材に米がある子には与えないように気をつけてください。

まとめ

最後に、これだけ主食のフードを厳選しても、おやつを気にせず与えてしまっては意味がありません。おやつを与えたい場合はしっかりとアレルゲン食材が入っていないかを確認した上で、与えるようにしてあげてください。

キャットフードの評価一覧