猫暮らし

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LUNA・キャットフードの安全性などを専門家が評価

執筆
  • 中村 千尋 ( 愛玩動物看護師 / ペット栄養管理士 )

    小学校時代の夢は「獣医師」
    高校生の時には、より患者さんに近く寄り添える「動物看護師」を目指し、専門学校に入学。
    卒業後、関西の動物病院で愛玩動物看護師として働きながら執筆活動を行う。

  • 猫暮らしプロジェクトチーム

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ペットライン社の国産キャットフード、可愛いインパクトのあるパッケージが印象的な「LUNA」を紹介します。

LUNAは安全なの?

しかし、安全性や栄養面で基準を守って認定されているため、すぐに健康被害があるとは言えないでしょう。
ただ、、他のフードをおすすめしたいという結論になります。
以下に特徴や原材料、成分の分析と評価を記載します。

LUNA・キャットフードの特徴とは?

1つで2種の味が楽しめる、猫のひとくちフルコースがキャッチコピーの「LUNA」
月と猫が描かれたパッケージに目を惹かれた飼い主さんも少なくないでしょう。

中身も可愛く、かつおの風味がとても香ばしく食欲をそそります。
食いつきの良さや香りの良さに定評があり、国産なので安心です。
月と星を表現した粒で、視覚的にも満足できちゃうキャットフードです。
ラインナップは5種類・・・

  • かつお節とほたて味ビッツ添え
  • かつお節としらす添え
  • かつお節と小エビ添え
  • かつお節とチキン味ビッツ添え
  • かつお節とチーズ味ビッツ添え

があります。
今回は「かつお節とチキン味ビッツ添え」をピックアップして、ご紹介します。

原材料を分析、安全性などを解説

原材料は以下の通りです。

【かつお節とほたて味ビッツ添え】
穀類(とうもろこし、菓子粉、コーングルテンミール、小麦ふすま)、豆類(脱脂大豆、おから、粒状大豆たん白)、肉類(ミートミール、チキンミール、チキンレバーパウダー)、油脂類(動物性油脂)、魚介類(フィッシュミール、かつお節、フィッシュエキス、ほたてエキスパウダー)、酵母、ビタミン類(A、D3、E、K3、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビオチン、B12、コリン、イノシトール)、ミネラル類(Ca、Na、K、Cl、Fe、Co、Cu、Mn、Zn、I)、アミノ酸類(メチオニン、タウリン)、着色料(赤102)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)
【かつお節とチキン味ビッツ添え】
穀類(とうもろこし、菓子粉、コーングルテンミール、小麦ふすま)、豆類(脱脂大豆、おから、粒状大豆たん白)、肉類(ミートミール、チキンミール、チキンレバーパウダー、チキンエキスパウダー)、油脂類(動物性油脂)、魚介類(フィッシュミール、かつお節、フィッシュエキス)、酵母、ビタミン類(A、D3、E、K3、B1、B2、パントテン酸、ナイアシン、B6、葉酸、ビオチン、B12、コリン、イノシトール)、ミネラル類(Ca、Na、K、Cl、Fe、Co、Cu、Mn、Zn、I)、アミノ酸類(メチオニン、タウリン)、着色料(赤102、カラメル色素)、酸化防止剤(ローズマリー抽出物、ミックストコフェロール)

メインで使われている原材料は穀物のようですね。
とうもろこし・菓子粉・コーングルテンミール・小麦ふすまと続いています。
穀物をメインで使う場合、かさましやコストダウンを目的としたケースが多く、LUNAもそれに該当する使い方がされています。
ちなみに菓子粉とはパンの耳や菓子パンのカスなどを粉末にして混ぜている材料なので、加熱加工はされていますが、アレルゲンには配慮していないといえます。
また、穀物類を多く使用する場合は動物性原材料の比率が下がってきます。
動物性たんぱく質は体内で効率よく使用されることや、余分な老廃物が少なくなるというメリットがあります。

動物性たんぱく源で使われているものが豆類・肉類・魚介類ですね。
豆類の含有量の方が多く配合されており、肉類は3番目になっています。
ミートミール・チキンミール・チキンレバーパウダーとありますが危険なものではなく、肉類を粉末状にして水分を飛ばすことで保存期間を伸ばしたりすることができます。ただ、フレッシュな肉ではなく人間向けの原材料ではないと言えるでしょう。
魚介類にはフィッシュミール・かつお節・フィッシュエキス・ホタテエキスパウダーが使用されているようです。
たんぱく源は、良質な高品質だとは言えませんが、とても低価格なところを考えれば当然でしょう。

ビタミン類やミネラルの添加が多いように感じます。
原材料にビタミンやアミノ酸・ミネラル類の記載が少ない方が高品質なフードと言えます。
基本的には
できる限り自然の素材から摂取するのが好ましいです。
ただ、栄養を満たすためのものであるため、健康に影響があるとは言えません。

最後に注目したいのが、赤102号・カラメル色素などの合成添加物が使われている点です。
以下にそれぞれの説明を記載します。

赤102号 よく使われる着色料ですが肝機能低下や赤血球の減少の報告があります。 アメリカやカナダでは食品への使用が許可されていない。
カラメル色素 カラメル色素の製造法は4種類。問題があるとされる製造法はカラメルⅢ、カラメルⅣ製造になります。カラメルⅢは糖類にアンモニウム化合物を加えて加熱。カラメルⅣはアンモニウム化合物と亜硫酸化合物を加えて加熱。これらの製法によって4-MEIと言われる副産物が生成されます、この方法ではマウスを使用した実験で肺腫瘍の発生率が増加したとされています。

以上から低価格ということもあり原材料には残るということがわかりました。

成分を分析、安全性などを解説

次に成分を見ていきましょう。
ここでは栄養基準を策定しているアメリカの団体、AAFCO(アーフコ・全米飼料検査官協会)が開示している基準値を比較しながら成分表を見ていきます。

子猫の基準値と比較
成分名基準値LUNA(かつお節&・・・
カロリー基準値なし365kcal
タンパク質30%以上25.5%以上
脂質(粗脂質)9%以上10.0%以上○ GOOD
繊維(粗繊維)基準値なし4.5%以下
水分基準値なし10.0%以下
灰分基準値なし8.0%以下
炭水化物基準値なし記載なし
リン0.8%以上0.6%○ GOOD
カルシウム1.0%以上0.6%
ナトリウム0.2%以上0.7%◎ EXCELLENT
マグネシウム0.08%以上0.12%◎ EXCELLENT
タウリン0.1%以上記載なし
成猫の基準値と比較
成分名基準値LUNA(かつお節&・・・
カロリー基準値なし365kcal
タンパク質26%以上25.5%以上
脂質(粗脂質)9%以上10.0%以上○ GOOD
繊維(粗繊維)基準値なし4.5%以下
水分基準値なし10.0%以下
灰分基準値なし8.0%以下
炭水化物基準値なし記載なし
リン0.5%以上0.6%◎ EXCELLENT
カルシウム0.6%以上0.6%◎ EXCELLENT
ナトリウム0.2%以上0.7%◎ EXCELLENT
マグネシウム0.04%以上0.12%◎ EXCELLENT
タウリン0.1%以上記載なし

たんぱく質は25.5%以上となっています。
猫は必要たんぱく質量が多い動物で、AAFCOでは26%以上が健康な成猫には適しているとしています。
子猫には足りない、成猫にはわずかに足りないようです。
高齢猫や腎疾患が心配な猫・軽度の腎疾患をすでに発症している猫には適している数値といえますが、健康に問題のない若齢の猫は30%前後のキャットフードを選ぶといいですね。

次に脂質をみてみます。
AAFCOでは9%以上が基準値とされていますが、こちらは問題なくクリアしていますね。
LUNAの脂質は10.0%と低めに設定されています。
脂質は猫にとって大事なエネルギー源のひとつですので、少なすぎるのも問題ですが、低脂質食の推奨は10~12%ですので、LUNAは適正基準に入っているといえます。
高脂質食はガンの猫など、エネルギーをかなり必要とする猫には大事ですが、肥満の原因となることがありますので、低脂質食を心がけ体重管理をしっかりとしましょう。

繊維・灰分は4.0%と8.0%と標準あたりをキープしていてどちらも適正だといえます。

また、リンとカルシウムは0.6%と0.6%となっており、比率でいえば1:1の配合になっています。
実際推奨される配合はリン1:1.2~1.5カルシウムとなっていますので、カルシウムの値が少し足りないようですが大きな問題はないでしょう。

全体的に成分を評価すると、栄養価が少し低いとは言えますが、値段を考えれば当然と言えるでしょう。

口コミについて

当サイトにお寄せいただいた口コミやAmazonなどのショッピングサイトの口コミを以下にまとめました。
当サイトにお寄せいただいた口コミはできる限りそのまま記載するようにしています。

良い口コミについて

  • 食いつきがかなり良く、とても喜んで食べてくれます。
    かなり小さめの粒なので食べやすいようです。
  • 小分けパックになっているので新鮮さが失われないためか、連続して食べる同じものを食べないうちの猫が毎晩このご飯を食べてくれます。
  • 鰹節のいい香りがして、毎回袋を開けただけで走ってくるようになりました。
    猫には関係ないですが、可愛い粒なのであげるほうも嬉しくなっちゃいます。

悪い口コミ

  • よく食べますが、腎臓や下部尿路疾患、吐き戻しなどに配慮されてないようなので、おやつとして与えることにしています。
  • 食べるが渋々。それによく吐くようになった。

クチコミからの評価

香りの食欲増進や食いつきの良さで多くの猫に選ばれているようです。
小粒も形状には賛否があるようですが、猫が食べやすく設計されています。
小分けパックで2種の味が楽しめるのも選ばれるポイントです。
ただ、猫のかかりやすい疾患への配慮が少ないことから、メインのフードとしては不安な声も上がっていました。

まとめ

食いつきの良さやコストパフォーマンスの良さなどで多くの飼い主さんに選ばれているLUNAですが、原材料の品質や添加物の使用・穀物メインの配合・成分値が理想と少し異なることなどから、高評価とはいいがたい結果となりました。

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