猫暮らし

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【ストレスサイン】12例、猫の症状・表情・行動から見極める

猫と生活していると、いつもと様子が違うことがあると思います。
これにはストレスが原因になっている場合や、病気・体調不良が原因になっている場合があります。
本記事では愛猫がストレスを感じている時のサインを知り、また、病気や怪我との判断の例も合わせて知ることができるようになっています。
猫の行動を観察し、その状態を把握できるようにしましょう。

【表情】から知る猫のストレスサイン

このセクションでは、表情から猫のストレスを見極める方法を解説します。

1.頻繁にまばたきする

猫は、涙の量が多く、目が乾きづらいため、あまり瞬きをしません。
人間は3秒に1回まばたきをする、とされていますが、猫は18秒に1回とされています。
もし、頻繁にまばたきする場合は何かしらのストレスを感じている可能性があります。

病気かどうかを判断するには?

もし、「まばたきの回数が多すぎる」と気付いた時は、愛猫の目をしっかりチェックしましょう。
ポイントは以下です。

  • 目ヤニが出ていないか?
  • 充血していないか?(目の表面が赤くないか?)
  • まぶたが赤くないか?
  • 目の色がいつもと違っていないか?
  • 目を擦っていないか?

もし上記の中で当てはまる場合は、目の病気かもしれません。
また、目の痒みなどでストレスを感じている場合も考えられます。
ただ、上記に関わらず、体調が悪ければ、それが原因になっている可能性もありますので獣医師へ相談した方がいいでしょう。

2.耳がパタンと倒れている

耳がパタンと頭と平行になるように倒れていることを「イカ耳」といいます。
不安を感じたり、恐怖を感じたり、びっくりした時などにこのような耳になることが多いです。
日常の生活の中でも、知らない人が家に来たり、インターホンが鳴ったり、動物病院に行った時だったりなどに「イカ耳」になることがあります。
いつもと違い、耳が倒れている場合は何かしらのストレスを感じている可能性があります。

病気が疑われる場合は?

イカ耳になったということのみで、病気を疑うのは難しいです。
イカ耳に気付いた時は、そのほかに何かいつもと違う様子はないのか、また、環境の変化がなかったのかなどを確認しましょう。
他の部位で何かしらの痛みであったり、不調があって、イカ耳になることも考えられます。
ただ、上記に関わらず、体調が悪ければ、それが原因になっている可能性もありますので獣医師へ相談した方がいいでしょう。

3.目の瞳孔が開いている

猫の目の瞳孔は明るい場所では、瞳孔は小さく縮まり針のように縦に細くなり、暗い場所では瞳孔が開きます(大きく、まんまるになるということ)。
もし明るい場所でも瞳孔が開いている場合は、警戒していたり、不安だったり、ストレスを感じている可能性があります。
ただ、普段から愛猫の目を観察していないと、いつもと比べてどうなのか?というのがわからないため、日頃から細かくチェックしておきましょう。

病気が疑われる場合は?

明るい場所でも、瞳孔が開いている状態を散瞳(さんどう)と言います。
その症状には進行性網膜萎縮(しんこうせいもうまくいしゅく)と呼ばれる病気があります。
これは、網膜に異常があり、視覚障害を起こすものです。
また、これ以外にも、緑内障、網膜剥離、網膜変性症、白内障などの目の病気から、腎不全、高血圧なども可能性としてあります。
以下の点に注意しましょう。

  • 「瞳孔の開き」以外にも体調不良がないか?
  • 「瞳孔の開き」が長期に渡って続いていないか?

を確認しましょう。
その他、いつもと違う症状があれば、獣医師へ相談した方がいいでしょう。

【仕草と行動】から知る猫のストレスサイン

猫のしっぽの動き、鳴き声、トイレなどの仕草からは、不安、恐怖などのストレスをたくさん感じ取ることができます。

1.しっぽの動きがいつもと違う

猫はしっぽをコミュニケーションの道具として使っています。
そのため、その動きからはたくさんの情報を読み取ることができます。
以下のような動きを参考にしてください。

  • しっぽが膨らむ・毛が逆立つ
  • しっぽをムチのように叩きつける
  • しっぽを体に巻き付ける
  • 足の間にしっぽを隠す
  • しっぽが力なく下がっている
  • しっぽを山のような形にする
  • しっぽを大きく左右に速く振る

このようなしっぽの動きは、ストレスのサインです。
この尻尾の動きについては「【しっぽで解る】猫の気持ちを読み取ろう!感情別解説」で細かく解説しています。

病気が疑われる場合とは?

しっぽの動きの中で一番、注意が必要なものは、しっぽが力なく下がっている時です。
これは、しょんぼりしている時に見られるストレスサインですが、通常はしばらくすると元に戻ります。
それでも、しっぽが下がったままであれば、しっぽを上げる体力や気力がない可能性があります。
このしっぽの時は、ぐったりしていないか、食欲は大丈夫か、うんちにおかしな点がないかなどを観察しましょう。

2.トイレの失敗・トイレをしない

猫は寂しさや不安から、かまってほしくてトイレをしなくなったりすることがあります。
また、その他にも、いつものトイレ以外の場所で、排尿・排便をしてしまうこともあります。
このトイレ以外での排尿・排便には、不安や不満、何かしらの環境の変化が関わっていることがあります。

病気が疑われる場合とは?

ストレス以外のトイレの失敗には、膀胱炎、腎臓病、肝臓病、糖尿病、猫下部尿路疾患、肛門嚢炎、認知症などが考えられます。
以下の点を観察しましょう。

  • 排泄時に痛がっていないか?
  • トイレに間に合わず漏れている様子はないか?
  • 下痢していないか?
  • 高齢で認知症、筋力の低下はないか?
  • 食欲があるか?

を確認しましょう。
その他、いつもと違う症状があれば、獣医師へ相談した方がいいでしょう。

3.引きこもる

猫がベットの下や、家具の下などに隠れて、飼い主とコミュニケーションを取ろうとしない場合は、恐怖を感じていて警戒している、何かしらの環境の変化があったなどのストレスを感じている場合があります。
また、本能的に外敵からみを隠せる、狭い場所に入り込んでいる場合もあります。

病気が疑われる場合とは?

体調不良や怪我がある場合にも引きこもりという行動をとる場合があります。
猫に限らず、動物は弱っているところを見せようとはしません。
本能で怪我や病気を隠そうとしてしまう傾向があります。
特に猫はそのような行動が多く見られます。
そのため、怪我はしていないか、食欲はあるのか、うんちの調子がおかしくないかなど、さまざまな観点から慎重に観察しましょう。
いつもと違う症状があれば、獣医師へ相談した方がいいでしょう。

4.過剰なグルーミング

グルーミング(毛づくろい)とは、自分の被毛をペロペロ舐めることを言います。
この行動によって、皮膚に刺激を与えたり、被毛を清潔に保っているのです。
猫は毎日2〜5時間程度をグルーミングに費やしていると言われています。
これは、起きている時間の30〜50%ほどになります。
そのため、ある程度のグルーミングは問題ありません。

いつもより、明らかに多い場合、被毛が抜けてハゲてしまっていたり、皮膚が荒れている場合は、過度のグルーミングになり、ストレスを感じている場合があります。
引っ越しなどの環境の変化があった時によく見られる行動です。

病気が疑われる場合とは?

もし、病気があるとすれば、可能性として高いのは、皮膚の異常です。
ノミ・ダニ、カビなどの感染症、アレルギー、皮膚炎などで、皮膚にかゆみがあり、舐めてそうとしたり、舌先で掻いていることが考えられます。
同じ部位をずっと舐めている場合は皮膚に問題がないかを確認しましょう。
アレルギー症状などは、体水分率や疲労によっても症状が強く出る場合があります。
病気や風邪などで免疫力が低下している時にも皮膚の症状が出やすいです。
この場合は皮膚症状だけでは、判断できませんので、その他の状態を慎重にみて、問題があれば、獣医師に相談しましょう。

5.過度の鳴き声・うろつく

落ち着きなく、部屋の中を落ち着きなくウロウロとしたり、「シャー」と怒ったような鳴き声をする場合は不満があったり、イライラするなどストレスを感じている場合があります。

病気が疑われる場合とは?

甲状腺、副腎皮質、糖尿病などによって、脳機能に障害をきたしている場合には攻撃性が高くなる場合があります。
その他、脳神経系の疾患やてんかんなども関係することがあります。
以下の症状を注意深く観察しましょう。

  • 食欲の減少がないか?
  • 脱毛はないか?
  • 下痢・嘔吐などがないか?
  • 多飲多尿などがないか?
  • 痩せたりしていないか?
  • いつもと比べて元気がないか?
  • 毛艶が悪くなっていないか?

また、病気が原因の場合は上記以外にもたくさんの症状が見られることもありますので、問題があれば、獣医師に相談しましょう。

6.攻撃的になる

猫がいきなり、攻撃的になり、飛びかかってきたり、威嚇してくる場合はストレスが考えられます。
ストレスなどにより、脳内の感情をコントロールするホルモンの分泌に異常が出ている可能性もあります。
一緒に遊べるような状況であれば、遊んであげるのもいいかもしれません。
もしくは、おいしいおやつをあげて、機嫌を取ってみるのもいいかもしれません。

病気が疑われる場合とは?

甲状腺、副腎皮質、糖尿病などによって、脳機能に障害をきたしている場合には攻撃性が高くなる場合があります。
その他、脳神経系の疾患やてんかんなども関係することがあります。
以下の症状を注意深く観察しましょう。

  • 食欲の減少がないか?
  • 脱毛はないか?
  • 下痢・嘔吐などがないか?
  • 多飲多尿などがないか?
  • 痩せたりしていないか?
  • いつもと比べて元気がないか?
  • 毛艶が悪くなっていないか?

また、病気が原因の場合は上記以外にもたくさんの症状が見られることもありますので、問題があれば、獣医師に相談しましょう。

7.活動量の変化

活動量は猫のストレスや体調をはかる上でわかりやすいサインの一つです。
以下のような点に注意してみましょう。

  • 寝る時間が長い
  • 動きたがらない
  • 呼んでも反応しない

このようなもの以外にも、いつもと比べて活動量が減ったなと感じる場合はストレスが原因かもしれません。

病気が疑われる場合とは?

単純に体調不良により活動量が減っている可能性があります。
もし、熱を測れるようであれば測ってみましょう。
また、以下のような典型的な風邪の症状がないか確認しましょう。

  • 食欲の減少がないか?
  • 下痢・嘔吐などがないか?
  • せき・鼻水・くしゃみなどがないか?
  • 鼻水が出ていないか?
  • 目ヤニ・涙流・結膜炎
  • よだれ・きつい口臭

また、活動量が減る原因としては、その他の体調不良、ホルモンバランスの乱れによるものもあります。
この場合は、内臓疾患、神経疾患などさまざまな、病気が考えられますので、問題があれば、獣医師に相談しましょう。

【症状】から知る猫のストレスサイン

猫はストレスを感じると、嘔吐したり、下痢をしたり、症状として異常がみられる場合も多いです。

1.消化器官の症状がある。

猫はストレスを感じると消化器の症状として現れることがあります。

  • 下痢をしてしまう
  • 便秘になってしまう
  • 嘔吐してしまう
  • うんちに被毛が「多く」含まれる

上記の4つ目のうんちに被毛が「多く」含まれる理由としては、ストレスなどによる、過度のグルーミングを行い、これにより摂取した、被毛がうんちに含まれます。

病気が疑われる場合とは?

いずれも、消化器関係の症状と同様になるため、病気との見極めは難しいです。
一過性のものであれば、心配はありませんが、長期的に続く場合は病気の可能性も考えられます。
その場合は獣医師に相談しましょう。

2.食欲がない・水を飲む回数が少ない

猫も人間同様にストレスを感じている時は、食欲不振などを起こす場合があります。
猫じゃらしなど気分転換で遊んであげてください。
もしくは、おいしいおやつなどを与えてみるのみいいと思います。

病気が疑われる場合とは?

長期に食欲不振が続く場合は主に内臓・消化器官系の病気が疑われます。
この場合は体重などにも変化が見られます。
猫は人間よりも早く、病気が進行しますので、心配な時は獣医師に相談しましょう。

猫がストレスを感じる理由

猫は勝手気ままと言われることが多いですが、とても繊細で警戒心の強い動物です。
猫と一緒に暮らす以上は、その本能自体を抑える必要もありますが、それが行き過ぎている場合は、かなりのストレスを感じている可能性があります。

猫にとってストレスになる原因を知り、予防することで猫と一緒に快適に過ごすことができます。
以下はストレスになりやすい原因についてまとめました。

上下運動ができない
猫は犬と違って、走り回るだけでなく、高いところに登る、降りる、ジャンプするといった行動を本能的に行います。
ジャンプができないというのは猫にとって大きなストレスです。
飼育していく上ではタンスのうえ、キャットタワーの設置などをして猫が運動できる環境を作ってあげる必要があります。
逃げたり、隠れるスペースがない
猫は本能的に外敵から狙われないようにするため、自分の縄張りを主張するために高いところに登る修正があります。同様に高い場所は外敵から身を隠したり、逃げたりできる自分だけのスペースでもあります。
そのため、部屋の中にこのような場所がない場合は必ず用意しましょう。
環境の変化が変化した
引っ越し、騒音、通院、外出、飼い主の不在、家族が増えたりなど、環境の変化に敏感に反応します。
いつも使っているカーペットを、新しくしただけでもその場には近寄らなかったりもします。
些細な環境の変化が猫の、ストレスにつながることもあります。
室内温度が適正でない
猫が過ごしやすい温度は、26〜28℃と言われています。
暑すぎたり、寒すぎたりはストレスの原因になります。
また、急激な温度変化にも弱い傾向があります。
過度のスキンシップ
適度なスキンシップは猫にストレスを与える場合があります。
猫が嫌がっているときは特に、スキンシップは控えてください。
追い回したりするのも、大きなストレスにつながります。
また、食事中やトイレ中のスキンシップは猫にとっては、無防備な状態ですので、ストレスにつながる場合があるので注意がひるようです。

上記のように、猫は繊細なのでさまざまな、行動がストレスにつながることがありますので、もし心当たりがある場合は見直してみましょう。

まとめ:猫のストレスサインを知ることで快適に暮らす

猫は勝手気ままで感情がわかりづらい、と言われることもありますが、その小さな体を使ってたくさんのストレスサインを、出しています。
いつもの、行動などを注意深く観察し、何かおかしなことがあれば、その変化にすぐに気づけるようにしておくと、快適に生活していくことができます。
また、本記事のストレスサインは、病気が原因になっていることもありますので、体調が悪かったり、長く続く場合は、獣医師へ相談した方がいいでしょう。