猫暮らし

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子猫に最適な、おすすめキャットフード

子猫に必要な栄養素について

子猫は1歳齢までの猫を指し、その時期に必要な栄養素は1歳齢以上の猫の必要量と比べて、より重要です。
子猫の成長に大きく貢献する、および必要とされる栄養素をAAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準の一覧表を見て、いくつか挙げていきたいと思います。ピックアップした基準は幼猫と成猫の基準の差がある程度開いているものです。
栄養素の隣の()内は幼猫の必要量、成猫の必要量をそれぞれ簡潔に記載しています。

1.タンパク質(幼 = 30.0%以上|成 = 26.0%以上)

猫は祖先から現在まで肉食であるため、1番摂取が必要な栄養素がタンパク質と言えます。
タンパク質はエネルギーを供給する3大栄養素の中の1つであり、健康な筋肉、被毛、被毛、および臓器の維持に重要な働きをしています。つまり、体を構成する大半はタンパク質からできているのです。
子猫は1年をかけて20〜40倍の大きさの成猫になります。そんな子猫にとって、体を構成する最も重要な成分と言っても過言ではないでしょう。
猫は腎臓が悪くなりやすく、過剰なタンパク質は腎臓に悪影響と言われていますが、成長過程の幼猫に関しては、体づくりや運動のためのエネルギーのために必要量が多いため、気にかけなくていいでしょう。

2.リジン(幼 = 1.20%以上/成|0.83%以上)

リジンは猫の必須アミノ酸の1つです。
しかし、多くの食品で必要量に対して十分に充足できず、不足しやすいアミノ酸でもあります。
リジンはタンパク質の合成に必須であるので、欠乏するとタンパク質がうまく合成できなくなります。タンパク質は前述の通りエネルギーを供給する三大栄養素の一つですから、エネルギー不足により元気がなくなり、食欲が低下します。そしてタンパク質の合成もできないため、摂取も合成もできなくなるという悪循環に陥ります。
そのほかの働きとして、免疫機能に必須な抗体の材料になったり、ホルモンの分泌を促したりします。
リジンを含む食材は多く存在しますが、最初に記載したとおり不足しがちな栄養素です。しかし、働きをまとめると子猫の体づくりや感染お予防に重要な役割を果たしている事がわかりますから、積極的に摂取したいですね。

3.α-リノレン酸(幼 = 0.02%以上|成 = 基準なし)

α-リノレン酸は必須脂肪酸の1つです。必須脂肪酸にはω3系とω6系の2種類あり、α-リノレン酸はω3系です。
α-リノレン酸は炎症抑制物質、および皮膚からの水分喪失を防ぐなどといった皮膚のバリア機能に欠かせない成分です。
AAFCOの基準で、幼猫のみ基準が規定されているので、幼い頃に皮膚のバリア機能を確立させる事が大切であるということがわかります。幼い頃に皮膚バリアを確立することや皮膚のうるおいを保つで、アレルギー性皮膚炎やアトピー性皮膚炎の悪化を防ぐことが可能です。皮膚疾患には皮膚の乾燥は症状悪化を引き起こし、うるおいは症状改善をもたらすからです。これは人のアレルギー疾患にも同様のことが言えます。
α-リノレン酸は魚油や大豆油、亜麻仁油などに含まれています。

4.EPA+DHA(幼 = 0.012%以上|成 = 基準なし)

EPAおよびDHAは上記のα-リノレン酸と同様、ω3系脂肪酸です。つまり、炎症抑制作用や皮膚のバリア機能に携わることがわかります。これらの脂肪酸は猫の体内で必要十分量を合成することができないため、食事からの摂取が重要になります。
しかし、α-リノレン酸と異なり、必須脂肪酸ではありませんから、もし優劣をつけるとしたらα-リノレン酸の方が重要であると考えられます。
EPAとDHAの2つの脂肪酸は炎症や皮膚対してだけでなく、肥満に対しても良い影響を及ぼします。炎症は皮膚だけでなく関節炎などにも効果があることが研究によって示されています。肥満に関しても、これらを加えた食餌を与えられた猫はインスリン濃度が上昇しないことが判明しています。
また、DHA単体は脳や網膜で最も多い脂肪酸であり、成長期などの体が発達する時期に重要な栄養素であると言われています。人の認知症患者において認知機能が改善された研究結果や、子犬においてDHAが認識機能の発達に影響している研究結果がそれぞれ報告されており、これは脳機能の向上に貢献していることを示しています。

5.銅(幼 = 15.0%以上/成|5.0%以上)

銅は血中内に存在するヘモグロビンと骨の形成に重要なミネラルで、健康維持に必要不可欠です。
ヘモグロビンは赤血球に存在し、体内の酸素を運搬・循環させるために働きます。ヘモグロビン不足は貧血を引き起こし、貧血により酸素がうまく運べないと、虚弱体質になってしまう可能性があります。体内の酸素がうまく運べないので、軽い運動ですぐ疲れてしまったり、運動不足によって発育不良になります。
また、骨の形成にも関わっているため、幼い頃に不足すると健康でしっかりとした骨が形成できず、こちらも発育不良になります。
その他にも、被毛の色素であるメラニンの合成を助ける働きもあり、不足すると粗毛に陥ります。

6.ヨウ素(幼 = 1.8〜9.0mg/kg|成 = 0.6〜9.0mg/kg)

ヨウ素は甲状腺ホルモンの合成を助け、個体の成長に貢献します。
甲状腺ホルモンの作用には、エネルギー産生や成長・成熟などがあり、成長ホルモンと共に中枢神経(脳)、末梢神経、骨格などの発達に携わることがわかっています。
このため、AAFCOの基準に基づく幼猫のヨウ素の必要量の最低値は、成猫の必要量の最低値の3倍ほどであり、子猫の成長において如何にヨウ素が重要であるかがわかります。しかしながら、今までの栄養素と異なり、ヨウ素には上限があります。
犬ではヨウ素の過剰は甲状腺機能低下症に関連しますが、猫ではこの疾患は稀です。しかし、万一発症した場合脱毛したり、巨大食道症や神経の障害を発症したりします。ヨウ素の過剰摂取で引き起こされた甲状腺疾患は摂取を制限すれば、時間をかけて正常な甲状腺に戻っていきます。
ただし、巨大食道症は一度発症すると元に戻らない、命に関わる病気ですから、その点だけ注意してください。

7.ビタミンA(幼 = 6668〜333300IU/kg|成 = 3332〜333300IU/kg)

ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、猫は体内で合成ができないため、食事から摂取しなければいけません。食事から摂取されたビタミンAは小腸で吸収されます。
ビタミンAはレチノールとも呼ばれており、目に関連することをご存じな方も多いのではないでしょうか。実際ビタミンAは視細胞に必要な網膜色素の構成成分であり、視力や暗闇に慣れる“暗順応”に関わっています。
そのため、摂取量が少ないと“夜盲症”(いわゆる“トリ目”)を代表とした眼疾患に陥ります。幼い頃から充分に摂取することでこのような疾患を防げると考えられます。
また、ビタミンAは他にも皮膚や被毛の成長にも携わっており、欠乏は皮膚のターンオーバーや被毛の健康に悪影響を及ぼすため、皮膚疾患やそれに伴うフケ、被毛の退色や脱毛も引き起こします。上記のα-リノレン酸やEPA+DHAと同様に皮膚のバリア機能に必要なビタミンです。

子猫への餌の与え方や注意事項

子猫は1年かけて成猫になる、と前述しましたが、その1年も3つの過程に分類することができます。
それが、授乳期(〜4週齢まで)、離乳期(4〜8週齢まで)、成長期(8週齢〜1年まで)です。それぞれの成長過程によってそれぞれ注意事項がありますから、しっかりと理解して頂けたら、猫も喜んでくれますよ。

1.授乳期

絶対に母乳か子猫用ミルクのみ!!
4週齢までの子猫は体が全く出来上がっていませんから、ミルク以外のものを消化することは出来ません。特に母乳には子猫が免疫を獲得するための抗体が含まれています。そのため、母猫が一緒の時は、母猫の母乳で済ませるようにしましょう。
しかし、捨てられていたりした子猫を拾ってあげた場合や母猫の体調が悪い場合は子猫用ミルクを与えてあげましょう。子猫用ミルクは人と同様に粉ミルクが与えやすいと思います。災害などに備えて液体のミルクも常備しておいてもいいかもしれません。人間用の牛乳などは与えないように気をつけてくださいね!

2.離乳期

授乳期が終わり、ミルク以外のものを少しずつ消化できるようになります。
ミルクも一緒に与えながら、離乳食を少しずつあげていきましょう。初めは少し舐める程度で問題ないです。ミルク以外の味を覚えてもらい、少しずつ量を多くしていきましょう。
離乳食はフードをふやかして柔らかくなったもの、もしくは離乳食として販売されているものもおすすめです。フードをふやかす時はお湯を使うと短時間で済みますよ。ご飯の匂いも強くなるので、成猫になってから食欲がなくなったりした子に与える方法にも使えますので覚えておくといざという時に使えますよ。
与えるときは、必ず人肌以下に冷ましてからにしてくださいね。
また、ミルクとは別に少しずつ水も飲めるようになる時期です。
水飲み場は様々な位置にあるといいです。1人暮らしの部屋なら部屋に1つ、洗面所などにもう1つ、広めのお家ならそれぞれの部屋などに無理のない程度で水飲み場を置いてあげてください。
猫は部屋や家を探検し、場所によって飲む水の量も変わってきます。リラックスした状態で水が飲める環境を整えてあげてください。
注意として飲める水が無くならないようにすること、飲水やミネラルウォーターは使用しないことに注意してください。腎臓の病気になりやすくなってしまいます。

3.成長期

遂に固形物が食べられるようになります。
しかし今まで柔らかいものしか食べてこなかったのに、突然固いものは食べられません。ふやかしたフードと混ぜて与え、少しずつ慣れさせ、固形を増やしていく用意しましょう。
フードに関しては、人と同じように大人と同じ食事を与えてもいいですが、前述の通り子猫は1年で20〜40倍にもなるので、成長のために必要な栄養素が成猫より多く存在します。
その栄養素の代表をはじめに7つほど挙げさせていただきました。これらの栄養素がしっかりと含まれている子猫用のフードを与えましょう。

おすすめの子猫用フード

これまでに挙げた7つの栄養素は子猫の成長に重要であるので、これらの栄養素が充分に含まれているキャットフードがおすすめであると言えます。
以下、子猫におすすめのキャットフードを挙げます。

1.授乳期

授乳期の粉ミルクでおすすめの商品を1つ紹介します。

ロイヤルカナン FHN ベビーキャット ミルク
ロイヤルカナン ベビーキャット ミルク 300g3,400(2023.11.05/Amazon)

この商品は世界的に信頼のおけるロイヤルカナンから販売されている粉ミルクです。
裏の表記もしっかりと記載されており、特におすすめなのが原材料に卵が入っていないことです。卵は食物アレルギーの原因になるので、できれば避けたい食材です。
また、DHAやビタミンAはもちろんのこと、葉酸や猫に必須なタウリンをはじめとした重要なアミノ酸も含まれているので子猫の成長に大変適した商品です。

2.離乳期・成長期

離乳期と成長期でおすすめのフードを3つ紹介します。

  • オリジン キトゥン
  • ヒルズ サイエンス・ダイエット キトン
  • Instinct 子猫用

これらのフードのいいところは、まずタンパク質が多く含まれていることです。Instinctが低いですが、それでも38%、オリジンは39%、ヒルズは40%も含まれています。子猫の体の発育に重要なタンパク質ですから、この含有量は嬉しいですね。
また、DHAをはじめとしたオメガ3系はいうまでもなくオメガ6系の必須脂肪酸も基準値より多く含まれているので、子猫の認知機能や脳の発達、皮膚や被毛の健康維持にもしっかりと貢献してくれます。
ここからは簡単にそれぞれの強みを述べていきます。

オリジン キトゥン
オリジン キトゥン6,700(2023.11.05/Amazon)

オリジンも原材料にこだわっており、そのレベルは世界最高と言われています。また、使用している原材料は捕れてから5日以内のもので新鮮です。この新鮮さを保つために現地の生産者としっかりと連絡を取り合っています。
原材料に動物性タンパク質を多く使用するため原材料の3分の2は、新鮮または生の家禽類と魚です。新鮮なタンパク源を多く取り入れられる魅力的な商品です。

ヒルズ サイエンス・ダイエット キトン
サイエンスダイエット キトン「チキン」1,978(2023.11.05/Amazon)
サイエンスダイエット キトン「マグロ」1,782(2023.11.05/Amazon)

ペットフードの2大巨頭の一つですね。他の会社とは比べ物にならない圧倒的データ量や知識量、安全管理のレベルから安心して与えることができます。
バランスの取れたミネラル類をはじめ、成分表を見てもどれもお手本のような、いわゆる優等生のような商品であると言えます。

Instinct 子猫用
Instinct 子猫用8,250(2023.11.05/Amazon)

Instinctは原材料に並々ならぬこだわりを持っているペットフード会社なので、原材料は全て最高品質で揃えられています。また、グレインフリー、グルテンフリー、GMO(遺伝子組み換え食品)フリーを掲げています。
最後に、高温での加工は行わずフードを製造しているので、原材料の栄養や酵素が壊れずそのまま摂取することができます。

まとめ

以上、簡単に説明させていただきました。全ての商品、人工添加物や合成着色料などは一切使用しておりません。
吟味して選んだ商品なので、どれも甲乙つけ難いほどです。どの商品を選んでも子猫の成長にはしっかりと役立ってくれますので安心してください。