猫に必要な栄養素は、ライフステージによって異なります。
キャットフードは種類が豊富にあるため、初めて猫を飼う際には戸惑うことが多いかと思います。
本記事ではそんな、キャットフード、選び方を細かく解説します。
目次
キャットフード選びの基本
キャットフード選びは、愛猫の健康を維持するために大切なポイントです。
適切な栄養バランスが整った食事は、猫の成長や病気、アレルギーの予防にも役立ちます
猫の「成長段階で選ぶ」キャットフード
猫の成長段階は成長期・維持期・高齢期の3つからなります。
それぞれの成長段階によって必要な栄養素が異なります。
また、フードのサイズや硬さも猫の体調に合わせて選ぶ必要があります。
以下を一つの基準として参考にしてください。
「成長期:生後0〜12ヶ月まで」から選ぶ、キャットフード
猫の成長期は生後0ヶ月〜12ヶ月とされています。この時期の猫は体の大きさなどが日に日に大きくなっていきます。歯や骨の京成のためにカルシウムやリンなどのミネラル、筋肉を形成するためタンパク質など、多くの栄養素が必要になります。また、エネルギー源となる脂質、免疫力を高めるためのビタミンも必要になります。
成長期に「最低限必要な栄養素」の基準
栄養基準を策定しているアメリカの団体、AAFCO(アーフコ・全米飼料検査官協会)では以下を推奨しています。最低基準値となります。
タンパク質 | 30%以上 |
脂質 | 9%以上 |
炭水化物 | 35%以下 |
繊維 | 5%以下 |
リン | 0.8%以上 |
カルシウム | 1%以上 |
ナトリウム | 0.2%以上 |
マグネシウム | 0.08%以上 |
上記の基準を参考にフードを選ぶことをおすすめします。
オススメのキャットフード
まずは獣医師の多くが推奨している「ヒルズサイエンスダイエット」、もしくは健康志向の定番である「ACANA(アカナ)」がおすすめです。
専門家の評価の詳しくは・・・
をご覧ください。
「維持期:1〜7歳まで」から選ぶ、キャットフード
猫の維持期は1〜7歳とされています。
この時期の猫は成長が終わり、成長期よりも消費されるカロリーが少なくなるため、維持期のフードから切り替えなければなりません。
成長期同様にフードを与えていると栄養過多となり、肥満に繋がります。
維持期に「最低限必要な栄養素」の基準
栄養基準を策定しているアメリカの団体、AAFCO(アーフコ・全米飼料検査官協会)では以下を推奨しています。最低基準値となります。
タンパク質 | 26%以上 |
脂質 | 9%以上 |
炭水化物 | 35%以下 |
繊維 | 5%以下 |
リン | 0.5%以上 |
カルシウム | 0.6%以上 |
ナトリウム | 0.2%以上 |
マグネシウム | 0.04%以上 |
上記の基準を参考にフードを選ぶことをおすすめします。
オススメのキャットフード
まずは獣医師の多くが推奨している「ヒルズサイエンスダイエット」、もしくは健康志向の定番である「ACANA(アカナ)」がおすすめです。
専門家の評価の詳しくは・・・
をご覧ください。
「高齢期:8歳〜」から選ぶ、キャットフード
AAFCO(アーフコ・全米飼料検査官協会)が定める、シニア猫に必要な栄養素基準は、維持期と同じです。
ただ、維持期と比べると運動量の低下や、代謝の低下などが出てくるため、カロリーなどをコントロールしていく必要があります。
これは猫の体調や運動量、病気なども関係するため、愛猫に合わせたフード選びが必要です。
特に、最近では猫も長寿命化が進み、腎臓を患う猫も増えました。
腎臓が悪い猫には高タンパク質なフードはリンが多くなりがちですので注意が必要で、専用のフードなどを検討する必要も出てきます。
「高齢期」にオススメのキャットフード
多くの獣医師が推奨するサイエンスダイエットをおすすめします。
「腎臓ケアに特化した」オススメのキャットフード
多くの獣医師が推奨するサイエンスダイエットをおすすめします。
フードタイプで選ぶキャットフード
キャットフードには、主にドライフード・ウェットフード・セミモイストの3種類があります。
自分の愛猫にあったタイプを選びましょう
キャットフードの種類:ドライフードとは?
ドライフードはカリカリの硬いタイプのフードです。水分量10%以下と、ほとんど、水分を含んでいないため、賞味期限が長く、保存も容易なため、飼い主にとって扱いやすいという利点があります。
食事の栄養素も高いものが多く、ドライフードと水を与えれば十分な栄養が取れてしまいます。
ただし、ドライフードは水分が少ないため、十分に水分を摂取させる必要があります。
ご飯皿の隣には新鮮な水を、切らさないようにしましょう。
元々、猫は水をあまり取りません。
摂取する水分量が少ないと腎臓に負担がかかるため、慢性腎臓病になりやすくなってしまうので注意が必要です。
ドライフードのメリット
ドライフードには以下のようなメリットがあります。
- 保存しやすい
- 総合栄養食が多い
- ウェットに比べて安価
- 噛み砕きながら食べるため歯磨き効果がある
ドライフードのデメリット
ドライフードのデメリットは以下のようなものがあります。
- 水分量が少ないため、水の摂取が少ない場合は腎臓に負担がかかる
- 硬さサイズによって相性がある
キャットフードの種類:ウェットフードとは?
ウェットフードは70%以上の水分を含むキャットフード、最大の特徴は嗜好性の高さにあります。
香りがつい良いため、その食いつきは抜群です。
ドライフードをなかなか食べてくれない時などに、トッピングとして混ぜたりすると、よく食べてくれたりします。また、ウェットフードは、猫の水分摂取量を増やし、尿路結石や腎臓病の予防に役立ちます。
ウェットフードのメリット
ウェットフードのメリットには以下のようなものがあります。
- 嗜好性が高い
- 水分含有量が多く、尿管結石と腎臓病の予防につながる
- 新鮮なものを与えられる
ウェットフードのデメリット
ウェットフードのデメリットには以下のようなものがあります。
- ご飯代が高い
- 開封後の長期保存ができない
- 水分量が多いため添加物も多くなりやすい
キャットフードの種類:セミモイストとは?
セミモイストのキャットフードは、ドライフードとウェットフードの中間の水分を含んだ半生タイプのフードです。水分量は概ね30%程度です。
このセミモイストは柔らかい口当たりでありながら適度な歯応えがあり、比較的、保存がしやすいという特徴があります。
歯が悪いシニア猫などでも比較的、食べやすいです。
また、ドライフードと比べると、水分量が比較的多いため、水分摂取量を増やすことができます。
ただ、ドライフードと比べると賞味期限や風味を保つために添加物をより多く使用している場合などもあるので注意が必要です。
セミモイストフードのメリット
セミモイストフードのメリットには以下のようなものがあります。
- 歯や噛む力が弱い猫でも食べやすい
- 水分を適度の摂取できる
- ウェットフードに比べて保存しやすい
セミモイストフードのデメリット
セミモイストフードのデメリットには以下のようなものがあります。
- ドライフードと比べると保存期間が短く、腐りやすい
- 添加物が多くなりやすい
- 種類が少ない
まとめ:フードタイプで選ぶキャットフード
愛猫の体調によって適切なフードは異なります。
日頃の行動を見ながらフードを選ぶといいでしょう。
例えばあまり水を飲んでくれない、といった場合には水分摂取が足りなくなることが想定されますので、セミモイストやウェットフードを定期的に与えるのもいいと思います。
愛猫に合わせたフードコントロールを行いましょう。
猫の体調や用途によって選ぶキャットフード
猫のフードには大きく4つの種類があります。
- 主食(総合栄養食)
- 間食(おやつ)
- 療養食
- 目的食
この4つについて、詳しく解説します。
キャットフード:主食(総合栄養食)とは
総合栄養食が、猫の毎日の主食として多く選ばれています。フードと水を与えるだけで必要な栄養が摂取できます。成長期・維持期・高齢期などのステージに合わせたキャットフードがあるので、自分の愛猫に合わせたステージのものを選びましょう。
また、ステージに合わせたフード選びについては、本記事の「猫の「成長段階で選ぶ」キャットフード」をご覧ください。
キャットフード:間食(おやつ)とは
間食(おやつ)は、しつけやご褒美、また、特別な日などに与える食事です。
嫌いな猫はいないかと思える、CIAO(チャオ)ちゅ〜るや、フリーズドライのササミなどもありますね。
注意点としては、あくまで間食(おやつ)になりますので与えすぎには注意が必要です。
カロリー過多で肥満につながったり、いつものご飯を食べてくれなくなったりすることもあります。
キャットフード:療法食とは
療法食とは、特定の病気の治療や予防を目的とした特別なキャットフードのことを指します。
猫は特に腎臓を患ってしまう確率が高いので、腎臓サポートの療法食は豊富にラインナップがあります。
また、肥満防止のためのフードも多くあります。
オススメの腎臓ケア、キャットフード
キャットフード:目的食とは
目的食は、主食、間食、療法食のいずれにも分類されません。
猫ちゃんの年齢や体重、生活環境に合わせて特定の目的で特定の栄養素を調整したもので、嗜好性増進などの目的を満たすためのものもあります。
サプリメントのような用途で栄養やカロリーを補完するもの、主食などにふりかけとして嗜好性を増進させるようなものがあります。
健康を意識したフード選びについて
上述した以外にも、フード選びの大切なポイントとして、アレルギーや添加物などに懸念のあるものを知っておく必要があります。
これについての詳細は「キャットフード、避けたい添加物・注意が必要な原材料、徹底ガイド」をご覧ください。
また、栄養バランスだけではなく一度に与える量についても注意が必要です。
猫のごはんの回数と量について
猫の食事は一日に数回に分けて与えることが望ましいとされています。
その際の一度に与える量は、猫の体重、年齢、活動量によって異なります。
必ず、キャットフード記載があるので確認しましょう。
猫に必要な1日の食事回数
以下を目安にご飯を与えましょう。
生後6ヶ月まで | 4〜5回 ※成長段階のため、栄養がたくさん必要ですが、内臓がまだ成熟していないのでたくさんの量を一度に与えると消化不良で嘔吐するので、少なめ・分けて与えるようにしましょう・ |
生後7ヶ月〜7歳ごろまで | 2〜3回 ※基本的には2回で構いませんがドカ食いしたりしてしまったり、空腹でストレスを感じる場合は3回に分けて与えましょう。 |
8歳〜 | 3〜5回 ※シニアになると消化機能が低下してきて、一度に多く摂取すると嘔吐や下痢の原因になります。様子を見ながら回数を調整する必要があります・ |
猫に必要な1日の食事の量
食事量はフードのカロリーによって大きく変わります。
フードのパッケージに記載がありますのでそれを参考にしながら、与えてましょう。
まとめ
愛猫の日々の食事は健康維持には大切なポイントになります。
子犬、成猫、高齢期で必要な食事量や栄養バランスも異なります。
また、猫も長寿化でさまざまな疾患を患うこともあります。
ステージや体質に合わせた食事選ぶびが必要です。